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神話と歴史:ダラ・ハッパからルナー帝国へ

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1600年頃、路上学校で老教師が子供たちに語った話

■黄金の時代
 昔々、世界はたった「ひとつ」のものだった。わしらはそれを“創造主”とか、“一なるもの”とか呼んでおる。とは言っても、偉いダーゼイターの司祭様だってそれが何だったのかは説明できんのだが。

 さて、“一なるもの”は10の精霊を生んだ。この神々は「グローランテイ」とか「天宮の神々」と呼ばれておる。この神々がいろいろとやって、その結びつきからもっと弱い神々がたくさん生まれた。この〓多なるもの〓の神々があんまり多くなりすぎたものだから、“一なるもの”は疲れ果ててしまって、この世界から立ち去ることにした。だが、“多なるもの”は放っておいたら世界をめちゃくちゃにしてしまうだろう。そこで神々の中で一番優れた神イェルムは、“一なるもの”、すなわち「宇宙の皇帝」に任命された。イェルムは天空から地上へ降り立ち、宇宙山から平和で楽しみに満ちた「黄金の時代」という長く平和な治世をお始めになったのだよ。


■新しい歌
 イェルムは、あるとき「嫁取り試合」をおこなって、100の女神の中から一番相応しい女神、すなわちデンダーラを妻に娶った。彼女の笑顔は、イェルムに不思議な感情を起こさせたものだった。

 ある日、イェルムが家来に歌を歌わせていたときのこと。デンダーラは言った。「これは素晴らしいものですわ。でもいつも同じ歌ばかり。他の歌い方をさせられないでしょうか?」

 「ロウドリルのようにしろと言うのか?」とイェルムは驚いて聞き返した。

 「いいえ、もちろん違います」 デンダーラはイェルムの言葉に顔を赤らめながら応えた。「でも、他のやり方はあるはずです」

 そうして、ダーゼイター、イェルム、ロウドリルと、デンダーラ、オリア、そして“他なる女神”が集まって新しい歌を歌うものを創り出すことにしたのだ。

 まず、デンダーラが岩を骨に、土を肉にして「形」を作った。次にロウドリルが「熱」を与えて命をやどらせた。それからオリアが「獣」の本能を与え、遠くからダーゼイターが「鳥」の力(知性)を与えた。〓他なる女神〓はこっそりと「影」を与えた。最後にイェルムが「炎」を与え、こうして「人間」が誕生した。

 人間たちは新しい歌と踊りを作りだし、自分たちを作りだした神々を崇めた。歌を聞いて、デンダーラは微笑んだ。イェルムも大いに喜んだという。

 後に繁殖の女神ユーレーリアが力を貸して、人間の子孫は地上世界に広がっていった。それでも「黄金の時代」には土地もたくさんあり、神々のお力もあったので、人々は苦労もせずに生きられて、することといったら神々に祈るだけだったということだ。


■ダラ・ハッパ帝国
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 ある日、地の底からネステントスと呼ばれる青い大蛇が現れた。これにはロウドリルをはじめとした神々が戦いを挑んだが、こてんぱんにやられてしまった。イェルムは自分の純粋性を汚されるのを恐れ、地上から中空へ昇ってしまった。初めて地上の玉座は空となり、人々は恐怖に泣き叫んだ。我らを支配する皇帝がいなくなってしまった、一体どうしたらいいのだろう!

 そこに現れたのはイェルムとデンダーラの息子、ムルハルツァームだった。彼はネステントスとがっぷり四つに組み、ロウドリルとその10人の息子に「最初の潅漑」をおこなわせた。こうしてドラゴンはなだめられ、オスリラとなった。

 イェルムはお喜びになり、息子ムルハルツァームに人類の皇帝となるための「十の試練」の儀式を受けるように命じた。ムルハルツァームは試練をやり遂げて、「最初のダラ・ハッパ皇帝」となった。天空に輝くイェルムの下、帝国は世界を覆い、帝国の首都ライバンスは大いに栄えたという。

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