大規模戦闘について。
- 「戦争」(Warfare)は「略奪」(raid)や「係争」(feud)とは違う。氏族の輪で決定され、氏族全体が「戦士団」に加わり、氏族のトゥーラ(領土)を離れて戦う。
- 氏族の戦争を率いるのは「戦近侍」(Warthane)。部族の戦争を率いるのは「戦族長」(War Chieftain)。部族連合の場合は「戦王」(War King)。
- 戦時の部隊構成
- 「剣」:機動力と戦魔術をもつ氏族で構成される。通常右翼に位置する。
- 「盾」:槍兵や防御力のある氏族で構成される。通常左翼に位置する。
- 「鎖鎧」:指揮部隊。通常は中央に位置する。予備部隊を持つこともある。
- 「槍」:弓兵隊。魔術部隊もここに属する。
- 「後備え」:癒し手、女性、馬の世話役など。戦闘には加わらない。
- 「投槍」:時に予備隊として使われる部隊。撤退不能な狂戦士(ウロックスなど)など。敵陣に突入させ、敵陣を崩す。通常「剣」がその後に続くが、それは義務ではない。(不利な場合は見捨てることも)
- 大規模戦闘時の魔術
- 個人の魔術:通常は戦場全体には影響をもたない。
- 「戦術級魔術」(Tactical):部隊に属する個人に影響する。魔術部隊の部隊支援や守護霊(ガーディアン)、神々の加護など。
- 「作戦級魔術」(Operational):部隊の運営に関する魔術。「指揮の鎖」(Chain of Command)、部隊移動、戦場全体を見渡すなど。ルナー帝国が最も優れている分野だが、1622年時点ではサーター軍もこれを取り入れ始めている(これを大々的に体系化したのがアーグラス皇子である)。
- 「戦略級魔術」(Strategic):大規模魔術。都市を破壊する、山を隆起させる、森林全体を破壊する、など。ほとんどの戦争ではこれほどの魔術は使われない。数千人規模の会戦で、特殊な魔術部隊(ルナー野戦魔術学院、コメット・シアー、スネークパイプ・ダンサーズなど)がいる場合のみに使われる。
- 戦術級魔術の使われ方
- 戦闘の前に神に捧げ物など、儀式を行う。準備が短ければ効果も少ない。
- ガーディアン(ワイターなど)を通じて、ヒーローバンド・部隊・氏族の構成員に魔術がかかる。
- 通常は、一般化された《志気鼓舞》などがかかる。(ボーナスとして適用)
- 特殊なガーディアンは、特殊な魔術をかけることもある(《弓を叩き落とす》、《帝国兵士に対する突貫》など)。
- 神が指揮官に部隊全体にかかる魔法を提供することもある。
- ゲーム運用について
- プレイヤー視点で大規模戦闘中のイベントを管理しなさい。
- 目に見えるものと、聞こえるもの(噂)を区別しなさい。
- 「ヒーロー主導」:比較的少人数の場合など、PCの行動が戦場全体に影響する場合。ヒーローの判定をしてから、その修正で大規模戦闘の判定をする。
- 「リーダー主導」:PCの行動が戦場全体に影響しない場合。大規模戦闘の判定をしてから、その修正でヒーローの判定をする。
- 「あのマンモスはどこから来たのか」「戦場に巻き起こった砂嵐はどの神の仕業か」「なにゆえトロウルキン軍団が敵軍に加わったのか」など考える必要はない。主目的は「戦争におけるヒーローたちの物語」であり、「背景の説明」ではない。
- 地図を準備しなさい。
- ロールの前に、戦闘の様子を描写すること。
大規模戦闘の展開
- 敵陣まで1.5km:兵士の集団が見える。巨人、マンモスなどの巨大生物を判別できる。
- 敵陣まで1km:非人間種族について分かる。騎馬兵と歩兵の区別がつく。
- 敵陣まで400m(「準備距離」):兵士の制服、軍旗、騎乗している獣の種類などが分かる。魔術の詠唱が聞こえるが、その内容はわからない。この距離で、部隊は最後の魔法投射、指揮官よりの言葉、盾壁(シールドウォール)の準備などが行われる。通常は、弓や魔法の射程外である。この距離から敵陣までは戦士で3分、魔法の助けで1分ほどかかる。(その間は弓や魔法の標的となる)
- 敵陣まで200m(「危険距離」):優れた弓やクロスボウ、魔法の射程に入る。
- 敵陣まで100m(「戦闘距離」):魔法を使った戦士であれば、20秒で敵陣に到達する。待機するか突撃するか、指揮官の命令が下る。もはやこの距離では、だれもよそ見をせず、仲間と目配せのみである。矢が陣形に打ち込まれる。