サンディ・ピーターセン御大が Ye Book of Tentacles #4 に書いた記事より。
ちょー抄訳(ともいえない要約)。
クトゥルフ神話TRPG向けのシナリオ作成論ですが、他のシステムにおいても多々参考になるかと思います。
■シチュエーションを考える
- 映画でもなんでもいいからプレイヤーが巻き込まれて楽しいだろうシチュエーションを考える。
- いちばん簡単なのは君の好きな映画などの好きな「1シーン」を考えること。
- よく知られているものでも気にしない(手を加えていくうちに分からなくなるから)
■プロットを考える
- シーンに至るストーリーを膨らませる。
- シーンの中核以外は換骨奪胎していく
- 敵がやろうとしていることは?
- 他に重要なキャラクターは?
- PCたちが関わらなければどうなる?
- 誰が犠牲者なの?
- PCたちはなぜ関わるの?
- プロットにどれだけ時間をかけられる?(長すぎるゲームは退屈になりがち)
- 複雑にしすぎない
- 当局はなぜ介入しないの?
- 「-介入できない」ことが多い。理由づけする
■「すごい」終わり方?
- クライマックスを考える
■プロットを完成させる
- 以上で考えたプロットを書いてみる
■キャラクターを作る
- 敵役のキャラクターの性格と「トレードマーク」を考える
■味方を考える
- PCたちが活躍する邪魔にならないように
■舞台を考える
- 具体的な舞台の地図、写真等を用意する。
- PCの移動できる範囲を考える。
■潜在的な問題を考える
- いきなり逃げ出す
- →対策:悪役たちが見張りを立てている
- プレイヤーが絶望するような状況
- 相手が強すぎる、手詰まりなど
- →対策:悪役たちの中に潜在的味方を用意しておく(狂信者の中に、犯罪者だが理性的に考えられる人を配置しておくなど)
- 信じられないほどの幸運/悪運からのリストア
- クリティカルで重要人物がいきなり死亡
- →対策:クリティカルの効果を変える(銃を撃ってクリティカル→銃が物を壊して破片が当たって倒れた。死んではいない)
- ファンブル
- 例)隠れているときに大きな音を出してしまった
- →対策:狂信者たちが踏み込んでくるが、猫がにゃーんと鳴いて通り過ぎる。「なんだ猫か。」
- こういった危機対策のアドリブはストックしておくとよい
■楽しむ
- シナリオはできた。プレイを楽しもう!
さらりと書いてあるんだけど、この中では悪役キャラクターの性格づけが感心しました。
- 「首領の恋人という敵役を考えよう」。 ―ふむふむ。
- 「首領に首ったけで何でも言うことを聞くからこの計画に加わった」。うん、ありがちだ。
- 「顔に醜い傷跡。首領に暴力を加えられるたびに包帯が増えて登場する」 え?(笑)
- 「PCたちは彼女を説得しようとするかもしれないが、そのとき彼女がとる行動は、首領に自分を殺させることで計画を止めることだろう」 ……。
この特徴的なキャラクターを考える方法を書いてほしかったなあ(笑)
あと、プロットはラフラフで、上記のようなキャラクターの行動原理を決めて、舞台にPCを放り込むという、いわゆる?「箱庭シナリオ」的なプレイのようですね。シーンをかっちり決めてつなげるマスタリングではないようです。