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第二期の歴史:オーランスランド王国とEWF

アーカットによるナイサロールの打倒で終わった「曙の時代」ですが、アーカットは人間を裏切ってトロウルになったため、「第二期」はオーランス人にとっても試練の時代として幕を開けます。
アーカットは「アーカットのご命令」(Arkat Tax)という権利をトロウルに与え、さらにトロウルは気ままに略奪をおこなったため、各地で反乱の火の手があがり、オーランス人(実質はトロウルたち)によるダラ・ハッパ支配は早々に瓦解してしまいました。


History of the Heortling People から、第二期の簡単な年表を。
c. は crica で、「〜年ころ」を表しています。



450. グバージが滅ぼされる。アーカットがラリオスに去る。
460- ダラ・ハッパが反乱、トロウルの支配脱する。ケロフィネラへの貢納止まる。
c.490 伝統主義者のハランサランが王となりアーカッティを追放する。
562. イェルマリオ・サルカントゥスを奉じる寺院がセアードに建立される。
575.「舞踏と狩猟団」(Hunting and Walzing Band)が結成される。“左目の”ヴィスティコスもその一員であった。
578. ハルドロスという英雄によって一なる老翁が殺され、蘇生した一なる老翁に「アーカットのご命令」を除いた形での古い盟約が認められた。
580-587. オーランスランド王国」(Kingdom of Orlanthland)が建国される。司祭によるハルドロスの王の任命。オーランスの司祭たちが政治的な権力を握っていた
650-700. オブデュランによる「内なる竜」のカルトがオーランスランドに急速に広まる。
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c.700 オーランスランドとセアードの戦争。竜が姿を見せる。
c.725 オブデュランがオーランスランドの「支配の輪」の一員(司祭)に任命される。(この時点をもってEWFが結成されたとみる歴史家が多い)
c.750 オブデュランが瞑想のため世俗を離れる。
760-785. ドラゴンの教えがダラ・ハッパに入る。
c.775 イスガングドラングが「最後の伝統主義者の王」を破る。
803. オブデュランが悟りに達し、「真のドラゴン」となる。
826. 12人からなる「永遠の竜の輪」がつくられる。以後、この政治体は「第三評議会とも呼ばれるようになった。(ジェナーテラ最高評議会=第二評議会に次ぐものである)
842. スロントスにて「デロヴァンの戦い」(Battle of Derovan)。神知者がEWFに完全に敗北する。
850. ダラ・ハッパ皇帝ディスマトリアンが殺され、「黄金竜の結社」(Golden Dragon Society)による支配がはじまる。EWFによる直接支配ではなく各都市では反乱が頻発した。
878. 皇帝ディスメンスヤールがEWFに敗れる。以後正統な皇帝は約30年間空位となる。
880. ドラゴニュートに対する戦いで、ラリオスのアラコリングが名を上げる。
889. EWF の「支配の輪」が、自分たちを神として崇拝するように命じる
907. ドラゴン・パスで「二年の冬」。神知者の反撃とも、古き日の伝統主義者の儀式とも、竜の仕業だとも言われる(その全てが合わさった結果かもしれない)。第三評議会に甚大な被害を与え、計画は遅滞。
c.910 アラコリングがアガーに来る。ドラゴンは破れ、タラスターの部族は彼に貢納を始める。オーランス信仰が復興する。
910. カルヴァニヤール皇子によるダラ・ハッパ解放。(サプリメント『ダラ・ハッパ動乱』)


EWFは実は「第三評議会」であり「オーランスランド王国」(すごい名前だ)であったとかが新事実ですね。「支配の輪」の12人については、MRQの Magic of Glorantha あたりにもいろいろ書いてあったような気がする。
帝国といいながら、実は支配者(皇帝)はいなかったわけですね。>EWF


グローランサ年代記では、以下のように語られています。(『ドラゴン戦争』,p.115-117)

(略)


“天駆ける”オブデュランは竜の友でありながらオーランスを崇めた初めての人間だ。こうしてもオーランス神は腹を立てはしないのだと、身をもって示した。ドラゴン・パスの人々にとってこれは驚きだった。こうして、ドラゴンに生贄を捧げる一方、昔ながらの生贄も捧げ始める民が出た。竜族の友が行くところ、どこにでもこの習わしは広まった。この道に従う者があまりに多くなったので、“天駆ける”オブデュランは「ワームの友邦帝国」の最高評議会に席を占めることになった。……(中略)


時がたち、代がかわった。ワームの友邦帝国の新しい長たちは、高い位にいるせいで横柄で傲慢だった。帝国の仕組みから、長たちは自然とほかの者を苦しめて自分たちがいい目をみるようになった。中には進化の鎖に従わず、世界そのものの一部を自在に操ることに成功した者もいた。こうした長たちは、自分たちの企てを推し進めるためにもっともっと物がいるようになって、まわりの国を攻め取り始めた。企てに従う者どもは、征服行にも従った。