グローランサでは、人間はもちろん、さまざまな知性をもった生物がいます。
Anaxial's Roster では、知性をもった種族かどうかを判定する5条件が挙げられており、
- 種族全体が知性をもっているか
- 経験や学習によって技能をあげることができるか
- 個体が集合的に働いているか
- 種族の文化/社会において職業があるか
- 一般的に魔術が使われているか
「種族全体が知性をもっているか」が条件に入っているということは、種族全体は知性をもっていなくても、個体で知性をもっているものはあるということを意味しています。
某コンベンションでは、PCに「知性をもった魚(ちょうちんあんこう)」がいたらしいと聞いています。(まあ魚人シナリオだったらしいですが(笑))
彼らは魔術を学ぶこともでき、経験によって通常より技能が上昇していることが多いです。
通常は話すことはできませんが、魔術的な手段でコミュニケーションをとることはあるかもしれません。
人間がこうした動物に遭遇すると、あまりにそれが印象的なため、過大評価をしてしまいがちですが、魔術的な場所でこうした「知性をもった動物」が多い特殊なところでも、全体の1%程度であるようです。
加えて、人為的(魔術的)に、動物の知性を覚醒させることができることが多くの文化で知られています。
神教では、特殊な儀式を用いて帰依者に知性をもった動物を覚醒させる神技を教えているものがあります。こうした動物は「神友」(Divine Companion)とよばれ、帰依者に仕えるようになります。代わりに、帰依者はこの神友を危害から護り、人間と同様に扱うという「制約」を課せられます。この制約を破ると、神友は帰依者を見捨て、神もまた帰依者に罰を与えることになります。
魔道では、魔道結社が「使い魔」を創造する呪文を教えている場合があります。ただし、マルキオンがそうした特殊な物質界の操作に対して否定的だったことから、教会ではこうした「使い魔」を禁止している分派が多いようです。
呪術では、多くの伝承で動物の隠された知性を覚醒させる方法を伝えています。普通の動物の体に動物の精霊を宿らせたり、精霊界に赴いて知性をもった動物霊を同盟精霊としてむかえたり、普通の動物を精霊界につれていって動物の大精霊に対面させて覚醒させたりするようです。
Gathering Thunder のシナリオでは、知性をもったキツネがでてきてPCたちを困らせるという話がでてきますし、
知性のある赤狐。しゃべります。「おや、人間のにおいだよ。この古老の森でなにをしておいでかね? いやいや、当ててやろう。盗みをしようというのだね? ふうむ。これは“嵐返しの”に教えてやった方がよいだろうねぇ」 そこでニヤリと狐は笑って、「それとも巣に帰ろうね。巣には腹を空かせた子狐たちがおってねぇ…。さてさてどうしよう」
プラックスのゆりかご河では、知性をもったナマズが河の神の司祭でびっくらこくということがあります。
- 赤目(Brighteye the Catfish)
ナマズのえらそうな仕草ってどんなんだろう……
つーことで、けっこうグローランサの人間は、狐に化かされているのではないかというお話でした。
魚人プレイとグローランサの海洋
そのちょうちんあんこうのプレイヤーが私でした。懐かしい(もう13年前か)。
な、なんと! Σ(゚д゚lll)
ネットは広大だわ、じゃなくて世間は狭い、というかなんというか(笑)
その同人誌には「知性のある渦潮などもいるらしい」と書かれていたためプレイ中にはこんな風景も。
GM「進行方向に大きな渦潮がありますね。」
PC「念のために<海語>で話しかけてみます。『こんにちは〜』」
GM「特に反応はないです。」
PC「返事がない、ただの渦潮のようだ。迂回しましょう。」
……
グローランサは豊穣だなあ。
魚人の世界観はなかなか面白くて、世界を縦方向にみているんですね。
いちばん上が「水面の上」。食べ物が降ってくるところです。
死骸が流れてきたり、河川からの泥、太陽の光(太陽の光を食べ物というところがあれだ。光合成しとるのか……)。
つぎが「浅い海」。定命の者たちが住むところ。
つぎが「ナイアドの海」。あの世とこの世の交わるところです。
一番深みが「深淵」。神々と精霊が棲むところ。
魚人は死ぬと下方向に落ちていくので、彼岸が下にあるんですね。
さらに、深淵の底には「奈落」(マガスタの渦の底)があり、グローランサを貫いて地獄の底へと続いています。すべての水は、グローランサの外部にながれるスラーマク河からグローランサに入り、マガスタの渦へ流れ込み、地獄のスティクス河をながれてまたスラーマク河にもどるという循環のなかにあります。
マガスタの渦 [Magasta's Pool、まがすたのうず]
(1) 世界の中心、「帰郷洋」のまんなかにある、直径200km以上もある巨大な渦巻。かつてここは「宇宙山」スパイクが存在していた。大暗黒の最中、混沌の侵攻により「宇宙山」が爆発四散したとき、その空隙を埋めようと“海の王”マガスタをはじめとする「水」の神々が殺到して今あるような大渦巻となった。渦巻になだれ落ちた水は大地をつきぬけて「地界」の深淵に落下しているといわれる。
グローランサには知られている限り二つの虚無の穴があります。ひとつは「マガスタの渦」で、ここの虚無の穴は天宮の神のひとり、カーガン・トールが持場を捨てて、ワクボスがスパイクに侵入したときにできました。
ここの穴から世界が崩壊しなかったのは、マガスタに率いられる水の神々が穴に飛び込んで、生と死の循環を作ることで、傷をふさいだからだと言われています。(魚人たちはそう信じているようです。(注1))
この時からグローランサでは、水は高いところから低いところへ流れるようになったそうです。