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ルカリウス帝の物語

■ルカリウス帝の物語
(アルコスで語られる話)

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 アナクシアル王朝の時代、ルカリウス帝は諸王に朝貢を求めて使者を送った。皆が素直に勅命に従ったが、メルニッタの都の黒き女王、セデーニァだけは別であった。代わりに厚かましきメルニッタの市民は、女王──彼らは彼女を太陽として信仰していた──に朝貢するようルカリウス帝に求めたのである。




 ルカリウス帝は立腹し、軍団を召集すると反乱の女王を罰するために北へと進軍した。女王の邪な信者たちは皇帝の正義の前に引き退いた。だがメルニッタ市を滅ぼすために軍団が近づくと、恐ろしく武装した巨大なものが天空より降臨してきた。太陽のように輝き、風のように唸りながら、魔物はルカリウス帝の前に立ちはだかってその道をふさいだ。魔物の口より光線が放たれ、その長腕で武器が振るわれた。恐るべきものはルカリウス帝に唸りたて、セデーニァの名にかけて彼を嘲った。

 ルカリウス帝は臆せず、猛然と魔物に攻撃を浴びせた。哄笑しつつ、魔物は武器を全て喰ってしまった。メイス、槍、弓、剣……。ついに、ルカリウス帝は武器を無くしてしまった。彼は“破壊するもの”シャーガシュを呼びたまわった。ルカリウス帝は自身を供物として与え、勝利のためなら全てを捧げることができると言った。

 その瞬間、ルカリウス帝の前に光り輝く祭壇が現れた。怪物のごとき存在の主は、炎の中に入るよう手招きした。ルカリウス帝は恐れず祭壇を登り、炎に飛び込んだ。彼は肉体以上のものを捧げることを示そうと両手をあげ、自身を“破壊するもの”に捧げたのである。ルカリウスは魔物の眼前の自分が、シャーガシュその人であることを悟った。

 シャーガシュは皇帝に宿った。“雷を呼ぶもの”の神の力に満たされ、ルカリウスは卓越した戦の力を得た。だが武器はなくしたままである。そこでシャーガシュは、星々を燃やし尽くし惑星を破壊することできる「月砕き」と呼ばれる神弓をルカリウスに与えた。

 シャーガシュの神弓をつがえると、ルカリウスは“偽りの太陽”を撃ち抜いた。天体はメルニッタの都の上に墜ち、都市の住人は全滅した。

 こうしてシャーガシュは供物を受け、セデーニァに再生を与えたのである。