ルーンクエスト情報局

新ルーンクエストの情報です。

「ルーンクエストの歴史」、あるいは再誕のものがたり


ルーンクエスト2 再誕祭」に参加された皆様も、参加できなかった方も(わたしを含む)、お疲れさまでした!!


こちらには、鮎方さんの参加レポートがあがっております。


幻のルーンクエスト6版 Adventures in Glorantha や、まだ未発売の 13th Age in Glorantha などもプレイされたようですよ。イベント限定の冊子などの販売もあり、大いに盛り上がったようです。


さて、そんな当日配布された記念冊子の中に、「ルーンクエストの歴史」という小記事を書かせていただきました。
いかにしてケイオシアムが復活したのかを、グローランサの神話時代になぞらえて語ったものです。


web でも公開してほしいとの希望の声を頂いたので、こちらにも再録しておきます。
お楽しみいただければ幸いです。



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ルーンクエストの歴史(2016年版)

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■緑の時代

創造が終わり、世界ができあがった時代を呼ぶ。すべては単純で多くの事が知られず、何事も恐れられることはなかった。



1966年(50年前)
当時大学生のグレッグ・スタフォード(Greg Stafford)がスノーダル王子のアルティネーでの冒険についての物語を書き留める。グローランサの誕生。


1975年(41年前)
ケイオシアム社(社員はグレッグ・スタフォード一人)が設立され、ファンタジー・ボードゲーム「White Bear and Red Moon」発売。出版社3社に断られた結果だった。グレッグ・スタフォード27才。


1978年(38年前) 
ゲーム大会オリジンズにて始めてルーンクエストが発表される。この時にはまだテストプレイ用のコピー本だった。その後に印刷製本されて発売された。

Apple Lane (1978)、Snake Pipe Hollow (1979)、Cults of Prax (1979)などが発売される。



■黄金の時代

創造と調和に満ちた時代。平和の中で発展が進んだ時代である。ルーンクエストはクラシックD&Dと比肩する存在であり、トラベラーと共に、ときに第二世代RPGと呼ばれた。



1980年(36年前) 
ケイオシアム社からルーンクエスト2版が出版される。黄金の時代である。


Cults of Terror(1981)、Griffin Mountain(1981)、Pavis (1982)、Borderlands(1982)、Troll Pak(1982)、Big Rubble (1983)、RuneQuest Companion(1983)など、名作サプリも山ほど発売される。他にもRuneMastersPlunders、 Foes など。


また、ルーンクエストのモンスターデータを送ってきたフリーランスのライターの手により「クトゥルフの呼び声」が誕生した。(このライター、サンディ・ピーターセン(Sandy Petersen)はのちにケイオシアム社に加わる)



嵐の時代

黄金の時代は、しかしケイオシアム社の経営危機で終わりをつげた。グレッグもサンディも基本的にはゲーマーであり、経営者ではなかったのだ。(と後にグレッグは語った)



1984(32年前) 
ケイオシアム社がアヴァロンヒル社にルーンクエストの版権を譲渡、ルーンクエスト3版を発売。
もともとアヴァロンヒル社は「オルタナティブ・アース」という汎用ファンタジーを展開するつもりだったようだ(グローランサ関係の出版権はケイオシアムが持っていた)。結局オルタナティブ・アース路線は頓挫し、背景設定はグローランサに戻ってきたが、システムが大幅に変更になっていたため2版→3版のコンバートは多大な時間がかかることになった。


1988年(28年前) 
ホビージャパン社よりルーンクエスト日本語版(3版翻訳)発売。


1992年(24年前)ころ
アバロン・ヒルのケン・ロールストン(Ken Rolston)が、ミカエル・オブライエン(Michael O'Brien)など社外ライターとともに精力的にルーンクエスト2版のサプリメントの再構築を始める。Sun County、River of Cradles、Dorastor、Lords of Terror などが発売される。これをルーンクエストルネッサンスと呼ぶ。


またインターネットの発達により、RuneQuest Digest などのメーリングリストでファン活動が活発化。「Tales of the Reaching Moon」誌(1989〜)をはじめ、ハイクオリティなファンジンが多数出版されるようになった。


ルーンクエスト90s:1992年。ルーンクエストの日本オリジナル・リファイン版。


1994年(22年前) 
ケン・ロールストンがアバロンヒル社を離れる。ケイオシアム社とアバロンヒル社が決裂、グローランサ関係の出版権が引き上げられる。予定されていた「ルーンクエスト4版」(RuneQuest: Adventures in Glorantha)の出版も中止。ただしルーンクエストのトレードマークと出版権はアバロンヒルが保持し続けたままとなった。
日本語版ルーンクエストも、「グローランサ年代記」、「モンスター・コロシアム」出版でサポート停止。
こうしてルーンクエストは死んだ。

■大暗黒時代

ルーンクエストは死んだ。その魂(グローランサ)と肉体(ルーンクエスト)はばらばらとなり、忘却へと落ちていった。しかし、わずかばかりの者たちにより、光を持ち帰るための探索は続けられた。


1998年(18年前)
ケイオシアム社が出版したカードゲーム「Mythos」の成功により、ケイオシアム社の経営についての路線問題が発生。あくまでグローランサの出版にこだわったグレッグ・スタフォードとサンディ・ピーターセンは、ケイオシアム社の経営から離れる。(ただし株は所持していた・・・これが2015年の事件の伏線になった)
アバロンヒル社、ハスブロ社に買収される。「一なるd20システムによるすべての支配」が志向される。


1999年(17年前)
ファンジン出版の Reaching Moon Megacorp の編集者の一人、リック・メインツ(Rick Meints)がムーンデザイン社(Moon Design Publications)を設立。当初はルーンクエストの絶版コンテンツを再販するのが目的だった。
Pavis & Big Rubble (1999) 〜Borderlands & Beyond (2005)まで、計4冊が「Glorantha Classics」として再販された。(購入は現在も可能)
この年、ファンの出資者を募り、グローランサに関する新しいRPGを出版するための管理会社としてイサリーズ社(Issaries, Inc.)が設立される。


2000年(16年前) 
ヒーローウォーズ」(HeroWars)がイサリーズ社から出版。ルーンクエストとは全く違う路線の「ナラティブ系」だったためファンの度肝を抜く。(抜きすぎた) その後の米国のナラティブ系ゲームに影響を与えた。


2001年(15年前) 
ヒーローウォーズ(日本語版)が発売。アトリエサード社より。東京で出版記念のサプリコンが開かれ、グレッグ・スタフォード氏が米国から招かれた。とてもたのしかった……。


2003年(13年前)
ハスブロ社がルーンクエストの版権を失効したため、ケイオシアム社にルーンクエストの「システム」権が戻ってくる。ただし「ルーンクエスト」のネームライツ(トレードマークの使用権)はグレッグ・スタフォードが所持しているというややこしい状態に。ケイオシアムはルーンクエストの名前ではシステムを出版できないため、ベーシック・ロールプレイングとしてこれを発表する。
同年、ヒーローウォーズの後継システム、HeroQuest の発売。リファインしてかなり読みやすくなり、ルールも整理された。グローランサの世界についての探求は HeroQuest 上で続けられていた。


2005年(11年前)
グレッグ・スタフォードが、マングース社(Mongoose Publishing)からルーンクエストを発売すると発表。現在では Mongoose RQ あるいはMRQと略される。システムの権利はケイオシアム社が持っていたため、以前の版との差も大きくなった。


2006年(10年前)
グレッグ・スタフォード、メキシコより帰還。イサリーズ社がTRPG出版から撤退。
以後の出版はムーンデザイン社が行うことになる。



■灰色の時代

人々の苦闘により、混沌の軍勢はその力を弱めていった。世界に曙光が差し始めたこの時代を「灰色の時代」、あるいは「銀の時代」と呼ぶ。



2006年(10年前)
マングース社から「ルーンクエスト」が発売される(MRQ1)。グローランサの第二期を舞台にしたが、デベロップ不足(コアサプリの「Cults of Glorantha」に致命的にルール上の欠損があるとかロングボウに誰も勝てないとか)のためファンからは不評。後にインタビューで編集側とライターの間に意思疎通の齟齬があったことが語られたが、根本の問題はプロジェクトを統括する責任者が不在なことであった。


2008年(8年前)
ムーンデザイン社にドイツの国際著作権弁護士でもあるジェフ・リチャード(Jeff Richard)が共著者として参加。ジェフ氏のメインライターとしての精力的な活動が始まる


2009年(7年前)
HeroQuest2 発売。ロビン・ロウズ氏のシステムのリファイン版。さらにドラスティックなナラティブゲームになった。


Sartar: Kingdom of Heroes (2009)、Sartar Companion (2010) 発売。既存のサーター設定の集大成となる。
Pavis: Gateway to Adventure(2012) パヴィスの設定の掘り起こし。


2010年(6年前)
マングースルーンクエストの2版(MRQ2)が発売。ルールの問題点が解決されシステムの完成度は高まったが、やはりマングース側に世界とルールを統括してみる責任者が不在な問題は解決されなかった。


2011年(5年前)
マングース社との5年契約が切れるのを機にメインライター2名が独立し、デザインメカニズム社(Design Mechanism)を設立。ルーンクエストの次の版はデザインメカニズム社から発売されると発表。


2012年(4年前)
デザインメカニズム社よりルーンクエスト6版」が発売。MRQ1を4版、MRQ2を5版と数える。システム的にはMRQ2をベースにしていた。グローランサの展開をするとのアナウンスはあったが、結果的には独自汎用世界のみでの展開となった。(Mythic Britain、Monster Island など)


2013年(3年前)
Kickstarter において、ジェフ・リチャードによるグローランサの設定を集大成したガイド「Guide to Glorantha」発刊プロジェクトが大成功をおさめる。


同8月、グレッグ・スタフォード氏がムーンデザイン社に「グローランサ出版の全権利」を売却譲渡することを発表
この後、ジェフ・リチャード氏を中心に公式設定の切り分け・再編が進んでいく。(このときMRQ1、MRQ2、HQ1などの設定は基本的に「非公式」とされた)


グレッグ氏、心臓の手術を行ったとアナウンスされる。術後は良好。


2014年(2年前)
Guide to Glorantha 発売。上下巻、フルカラー800ページの大冊+地図帳からなる。プロジェクトは成功裏に完了。


2015年(昨年)


5月、ジェフ・リチャードによる HeroQuest Glorantha が発売。現在までのグローランサ設定の集大成となり、ゲームの時代設定も1627年とルーンクエスト時代の1621年から進み、予言されていた「英雄戦争」時代に突入した。


6月、ケイオシアムで発生していたクトゥルフ7版キックスターター遅延問題」で、グレッグ・スタフォードとサンディ・ピーターセンが前経営陣を追放、経営権を取り戻す。ムーンデザイン社のケイオシアム社との合併が発表され、グレッグが会長・サンディが理事に就き、社長にリック・メインツ、製作指揮にジェフ・リチャードの体制がひかれる。ケイオシアム社の実質的な運営はムーンデザイン社が引き継ぐことに。


ここに「ルーンクエスト」のシステムの権利を持つケイオシアム社、ネームライツを持つグレッグ、グローランサの権利を持つムーンデザイン社が一つとなり、「ルーンクエスト」の権利がすべてケイオシアムに再集合した。


8月、GenCon において、ケイオシアム社は新しい「ルーンクエスト(「ケイオシアム・ルーンクエスト」、または「ルーンクエスト4版」と仮に呼ばれる)を発売すると発表。これはグローランサを舞台にし、2版のルーンクエストの「プレイ感覚」を引き継ぐものであると強調された。「ルーンクエストルネッサンス」の担い手だったケン・ロールストンとミカエル・オブライエンも戻り、再びプロジェクトに加わることになった。



12月、ルーンクエスト2版の再販プロジェクトがキックスターターで大成功をおさめる。1995年から20年、ムーンデザイン社がおこなってきた悲願の「ルーンクエストの復刊」の達成であった。

■「曙」



2016年(現在)

1月、ルーンクエスト2版のPDF再販がダウンロード販売開始される。


2月、日本で「ルーンクエスト2版再誕祭」が開催される。







ヒロキさん作成 【ルーンクエストの系図】

参考文献: