ウーマスは「嵐の父」としての名誉を与えられている。彼は「若き神々」の中でも最も偉大なものだった。最初の若き神々はニンフと神々の子との間に生まれた。小神と大いなる精霊との結びつきから生まれたものもあった。最後になって、最も偉大な神々の二柱、原初のエレメントの二つの交合が起こった。ガータはエーテルに覆われた――母なる大地は父なる天空と共寝したのである。彼らから生まれたのが、若き神々のなかで最も偉大なるもの、ウーマスだった。
続きを読むヒーロークエスト考
司祭がこの探索を取りしきることとなった。四角い「大地の庭」は掃き清められ、聖水が撒かれ、特殊な香草を散らして乾かされた。四隅にはそれぞれ年老いた司祭と女祭が座り、会衆がまわりに集う。それぞれの角には祭壇が設けられた。四角のなかには、寺院の僧たちが膝丈までの黒と黄色のローブをまとい、円になって立った。
中心には椅子がしつらえられ、その前にヒーローの一行が座っていた。
ヘンガルは赤の女神ナーザの位をしめす装飾を施されたゲレンデッソ神(注:ロウドリルの息子)の儀式服をまとい、助手と二人の護衛を伴っていた。
ピューマ氏は晴れ着を着て短杖をもち、脇の小袋には本をいれ、お気に入りのロープを肩から身体、首、手までまわしてかけていた。
ガランは鎧と武器で武装し、(もちろん)バイソンには乗っていなかったものの、お付きの癒し手を脇に、“バイソンの脳みそ”やらの精霊を、目には見えないようにしていたが、近くにおいていた。
ジェーンはセデーニア女神の印章をかけ、上着のポケットに(「ねえ、ポケットって発明したことにしていい?」)、特別なオリガミをしのばせて側に立っていた。
ハジールは武装していたが、全くめずらしいことに彼のサーフボードをもつテシュノスのグーンダ人の従者はいなかった。(「いや、真面目にいくよ。勝ちたいから。ヘンガルの家族に大いに気に入ってもらいたいからね」)
「まったく、」とジェーンが言った。「インゴマールがいないのは残念だわ。これから戦いがたくさんありそうなのにね」
全員がうなづいた。そして、遠いむかしに失われた友を思った。
「講」、すなわちこのヒーロークエストを援助するヘンガルの一族は、ここにいて助けをおこなうのである。彼らは祭儀服を着て、ヒーローバンドのまわりに同心円状に座った。日常の仕事から離れられるかぎりの者がここに集まり、その数は400人にもなっていた。
その中には、「ガーリン区の衛士」「大顔姉妹の悲嘆団」「准伯爵の司祭たち」といった集団の指導者もみえた。彼らは「講」にかかわりがあり、ヒーローバンドの戦いと悲嘆とを祝福しにやってきたのだった。
ついに日が沈んだ。
「ロウドリル神が来たった」大司祭が告げ、寺院のすべての松明にいっせいに火がつけられた。ドラムの音が響き、フルートが吹き鳴らされ、司祭たちは賛美歌を歌い始めた。その声はおおきく、晴れやかだった。信者たちはそれぞれのパートを詠唱した。ある部分では大声で熱烈に、あるところでは絶望と恐怖をこめて。儀式は複雑で、参加者すべてにやるべきことがあった。司祭はたくさんの神々に助力を求め、一同の祈りのなかでさらに多くの神々が思い起こされた。たくさんの山羊が生贄として捧げられた。様々な色の松明の炎があらわれては消え、二度にわたり煙が充満して一同を咳き込ませた。奇妙な振動が立っている人、座っている人、跪いている人みなをふるわせた。およそ8時間の儀式の後、さざ波が外側から内側にむけて、信者たちに伝わっていった。見ている景色がふるえた。
そして、ほとんどの参加者は、神界にある「アランヴァルスの館」に遷移していた。神が御座に厳然と座っているのが見える。ヒーローバンドは「館」への障壁を超え、神と言葉を交わす順番を待った。横をみると、「神々の戦い」の時代に生きていた「講」の先祖の不滅のものたちがいるのが見えた。一行は、アランヴァルスの館の祝宴の参加者たちに小神たちが混ざっているのに気がついていた。
このようにして、英雄界におけるヒーロークエストは始まります。
サンディ・ピーターセンの「怠け者のためのシナリオ作成ガイド」
サンディ・ピーターセン御大が Ye Book of Tentacles #4 に書いた記事より。
ちょー抄訳(ともいえない要約)。
クトゥルフ神話TRPG向けのシナリオ作成論ですが、他のシステムにおいても多々参考になるかと思います。
続きを読む動物たちの知性(知性あるちょうちんあんこうを例に)
グローランサでは、人間はもちろん、さまざまな知性をもった生物がいます。
Anaxial's Roster では、知性をもった種族かどうかを判定する5条件が挙げられており、
- 種族全体が知性をもっているか
- 経験や学習によって技能をあげることができるか
- 個体が集合的に働いているか
- 種族の文化/社会において職業があるか
- 一般的に魔術が使われているか
「種族全体が知性をもっているか」が条件に入っているということは、種族全体は知性をもっていなくても、個体で知性をもっているものはあるということを意味しています。
某コンベンションでは、PCに「知性をもった魚(ちょうちんあんこう)」がいたらしいと聞いています。(まあ魚人シナリオだったらしいですが(笑))
彼らは魔術を学ぶこともでき、経験によって通常より技能が上昇していることが多いです。
通常は話すことはできませんが、魔術的な手段でコミュニケーションをとることはあるかもしれません。
ユニコーンの探索
※ソードワールドの名作シナリオとはあんまり関係がありません。
ユニコーンは、イェローナの乗騎として有名ですが、実際のところはどういう生物なのかは、RQ3ではあまり解説がありませんでした。(基本ルールのデータのみ)
ヒーローウォーズの Anaxial's Roster になって、グローランサのユニコーンがどんなものなのか、設定がされました。それによれば、ユニコーンは魔道界由来の生物なのだそうです。
■ユニコーン(一般種、下位ユニコーン種)
ユニコーンはセシュネラ、ラリオス、フロネラ、ぺローリア、マニリア、プラックスと、大荒野以西に広く住んでいるようです。ただし、森、それも多くはエルフの森にいるため、人間と接触することは稀であり、プラックスにおいて、イェローナのカルトとユニコーン部族が接触をもつほかは、あまり人目に触れないようです。
その姿は一般的なユニコーン……ですが、実は近年のイメージの「角をもった白馬」ではなく、偶蹄類(ウシ類)の生物のようです。つーことは反芻したりするのか。色は白いようです。
また、山羊のようなあごひげ、ライオンのような尻尾を持っています。これは、ヨーロッパ伝承におけるユニコーンのイメージをそのまま持ってきていますね。
(→ユニコーン - Wikipedia)
ユニコーンはすべて雄であり、処女の鹿、馬、その他の動物(処女)と交わって子を作ります。人間も処女以外は近寄らせません。不老不死かは分かりませんが、「曙」以後、自然死したユニコーンは知られていないそうです。ユニコーンは、エルフとも仲がよいようです。
ユニコーンは自然と魔術を知っており、自由に使うことができます。それは魔道呪文で、ユニコーンの特殊な結節点(ノード)を持っています。この魔術は「ユニコーンの法」と呼ばれます。
角で魔術をつかって傷を癒したりできますが、これも魔道由来の能力なんでしょうか。角は切り離しても使えるようですが、毒に触れると砕けるそうです。