河東さんがトロウルのエントリのコメントで、「ドワーフの視認能力はまたトロウルとは違ったけど、どうゆうのだったっけ?」という質問をされて、それに対していろいろな方からレスがついておりました。
ドワーフの持つ特殊な知覚能力は、アースセンス、日本語では〈地覚能力〉とか訳されています。
D&Dとかでもドワーフの能力として一般的なもんですが、グローランサではかなり突っ込まれて設定されておりますね。
Vampire.Sにいさま 『ドワーフの《地覚》についての情報がまとめられています:(注:リンク先は記事消滅)
ちなみに、かなり古い時代の資料(初出は Different World 誌ですな)で、著者はサンディ・ピーターセン。ということで、〈生物学〉知識がないと読み進めづらいかも。簡単に書きますと、鮫を含む多くの魚類等が持っている、電位変化感知能力兼大気圧(水中では水圧)感知能力です。
従って、大気中の空電や強力な超長波電波などに加え、生物の筋肉が発する神経電位変化を関知しているわけですな。
サンディ・ピーターセン氏は動物学者だったので、トロウルパックはあんなすげえものになったのは有名な話。やはり世界創造には、才能があっても1人じゃなく、異才を取り入れないとだめだと思うんだ。
閑話休題。
以下は余談ですが。
グローランサのドワーフに関する設定は、おおむね古いものが多いです。
で、作っていたの連中は、Paranoia 2nd ed. の頃の RPG 何でもサプリメント屋連中です(カルフォルニア大学バークレイ校のRPG・文化人類学マニア)。サンディ・ピーターセンも広くはこのカテゴリに入りますが、他にも Shanon Appelcline とか 2nd 時代の RQ サプリメント著者どもですな。
Shanon Appelcline 氏は、HeroQuest ラインで「エルフパック」を書いているらしいので、そのへんは期待ですかねえ……
で、この人達が色々内輪ネタを仕込んでいったので、グローランサのドワーフは設定の根幹にグレッグとは異質な系統があるんですね(ちなみに、ダックとトロウルの設定に関する部分にも似たような経緯がある)。
で、そういう設定に興味がある場合は、オフィシャルサイトを search してみることをお勧めします。たとえば、こんな感じ:
http://www.glorantha.com/library/elder/dwarfs-dislike.html(注:これも記事消滅してる)
よろしいですね、市民?』 (2007/08/09 23:07)
はい、コンピューター様 世界機械モスタル様は完璧です。
気をつけろ! 誰も信じるな! マスケット銃を手離すな!
……まあ、ドワーフをプレイしようと思ったら反逆者 壊れたドワーフをプレイするしかないよねえ。
「製作者のつながり」からRPG発展誌を検討するというのも面白い方法ですね。
日本でやると、かなり学閥っぽくっぽくなるかもしれんけど。
alley-cats 『そうなんですよね。最近の glorantha には sandyp分が足りないんですよね。』 (2007/08/10 01:08)
河東 『 皆さんどうもです。
私、英語はかなり苦手なので原文を眺めて取りあえずグレッグがドワーフを好きではないことと、<地覚>が気圧計と遠赤外線検知の複合機関っぽいという印象を受けましたが、それってドワーフはどんな風に感じているんでしょうね?
>周囲の空間・熱・気流を感知でき、完全な暗闇の中でも機能
これだと本人を中心に円形の地図と障害物、生物が配置されている、という画像を思い浮かべていたのですが。』 (2007/08/10 09:57)
たとえでは、「プールに沈んでいて、目を閉じていても近くを泳いでいる人の動きを水の動きとして感じるような感覚」と書かれれていますね。
あまり遠くは感知できないので、閉鎖空間で加えて暗闇で戦うのが有利であるようです。トンネル内でドワーフと戦うのはやめましょう。数十メートル先からクロスボウを叩き込まれます。
グローランサのドワーフについて、「古の種族の書」と、Glorantha : Introduction to the Hero Wars をもとに簡単にまとめてみます。
モスタリの歴史観
- 創生の時代に「世界機械」があり、「世界機械」は「計画」に沿って動いていた。
- ところがウーマスが「大地」と「天空」のあいだを引き裂いて、「世界機械」にダメージを与えてしまった。
- これによって、「育み手」の力による無秩序な生長が可能になってしまった。「育み手」はエルフたちを使ってさらに世界機械にダメージを与えようとしてきた。
- 「世界機械」を修復するための「計画」(ドゥームズデイ・プラン)が立てられ、それに従って「古の八鉱のモスタリ」とそれをたすける土モスタリ(ドワーフ)が製造された。
- スパイクで世界機械を修復していた古のモスタリたちは、「育み手」の無秩序が呼び込んだ混沌による「法」と「混沌」の反応による爆発によってほとんど消滅した。残されたのは、知性や魔術で劣るドワーフたちである。(今はこのドワーフもモスタリと呼ぶ)
- ドワーフたちの必死の修復により、世界機械は「太陽が昇る」ぐらいまでは修復された。現在もドワーフたちは、計画にそってさまざまな修復活動をおこなっている。
- 赤い月が昇ったのは「計画」の確実な進捗を示している。
ドワーフの行動原則
- 「計画」にそって動くこと。組織に絶対服従。計画から背くと不老不死ではなくなる。
- 個人財産などの概念はない。すべて共同で所有。
- 不老不死なので、時間をかけて完璧な計画で仕事をしようとする。
- 性欲とか食欲とかはほとんどない。睡眠もあまりとらない?
- 食事は工場で作られた缶詰(ドワーフ食)しか食べない
- 理論的にものをはこぶ。唯物主義者。
ドワーフの反逆思想 異端思想