出るぞ出るぞと言われていた「Sartar Companion」がついに発売されましたー!
Your adventures in Sartar continue with the Sartar Companion! Explore the lands of the Colymar Tribe, seek knowledge at the Jonstown Library, wander the roads and backcountry of Sartar, or play through seven new campaign scenarios. Return to Apple Lane, fight dragons, quest for aid from a powerful nature goddess, confront the feuds of ghosts, steal a dwarf artifact from the trolls, quest for the sacred Lawstaff, and survive the approach of the terrible Crimson Bat!
サーターの冒険は「サーター・コンパニオン」に続く。コリマー部族の領土を探検し、ジョンスタウンの知識の寺院を探索し、サーターの街道や辺境を放浪する。また7つの新しいキャンペーンシナリオを収録。アップルレーンへの帰還や、ドラゴンとの戦い、強大な女神の助けをもとめるクエスト、ゴーストの襲来に立ち向かい、トロウルたちからドワーフのアーティファクトを奪還。聖なる法の杖のクエスト、そして恐るべきバットの来襲を生き延びるのだ!
Sartar に収録できなかった「ランダム・エンカウンター表」を入れると言っていたのが42個の通常エンカウンター表と31個の特殊エンカウンター表に。どうしてこうなった。
カルトライトアップ(※HeroQuest なのでルーンクエスト用のデータはありません)は、暗黒の交易の神アーガン・アーガー、大地の聖なる復讐者バービスター・ゴア、トリックスター・ユールマル、雨の神ヘラー、風の精霊コーラート、狩人の神オデイラです。
HeroQuest のサプリメントなのでルーンクエスト用のデータはなく、背景設定情報のみとなっております。
ケイオシアムのサイトでは日本円換算で値段が出るようになったのですが、為替によって変動しますが3000円~3500円ぐらい(送料含まず)なのかな。購入するとPDF版は無料でもらえます(物理本が届くまで先行で読めるということです)
プレビュー動画
『サーター・コンパニオン』をざくっと見ていく動画です。
ナビゲーター役は、ケイオシアム社のクリエイティブ・ディレクターの Jeff Richard 氏です。
こうして見ていくと、トロウルのエンカウンター大杉なんですがサーターってそんなにトロウルがうろうろしているんでしょうか(笑)。
シナリオでは、「アップルレーンへの帰還」とか「クリムゾン・バットのサーター襲来」とかが気になるところですね。
関係ありませんが、後ろで小鳥がさえずっているのが非常に気になるw 家庭的だのう……
『クリムゾン・バット、サーター襲来』 あるいは Sartar Companion 私的レビュー
『1619年、収穫も終わって間もない地の季も終わろうとするある夜、星見る者が北西の空、恐ろしく低いところに、汚らしい赤い星を発見した。その星を見たものはみな、恐怖に満たされた。風のルーンと結びつきの強い者たちはみな、星を見るだけで頭痛に襲われたものである。司祭や神巫たちはその星を邪悪だと断じた。邪悪に対する儀式がおこなわれた。多くの評議会で、この星が象徴する邪悪とは何かということについて、議論が戦わされた。
数日のうちに、星は東に移動し、次第に輝きを増した。星のまわりは、昼夜にかかわらず、赤く輝くように見えた。移動の週、荒の日。星は停止し、地平線にまで降りてきた。---なんと、岩の森山脈をバックにして!!」
(画像はGloranthan Armyより)
※
Sartar Companion が書籍版で届きまして、ぱらぱらとつまみ読みしております。
こいつは楽しい。
twitter でもつぶやいておりましたが、
昨日「サーター・コンパニオン」を少し読みました。これは Barbarian Adventures やドラゴン・アトラスでやろうとしていた「ニューカマー向け入門」を完璧に実装したサプリだ。少なくともサーター北部に関しては、これがあればシナリオネタに悩むことはなさそう。
そんな感じ。
そして、この『クリムゾン・バット、サーター襲来』が、一番このサプリの内容を端的に表しているかな、と思っております。
それは何故か。
※
じつは「シナリオ(?)」と書いたのは、これがたった6ページ(そのうち1ページは地図)の記述に過ぎず、「○日に××に到着。土地の権力者は△△という反応。バットはここに××日とどまり、その間に○○人の人間を食べた。」というのが延々と記されている「バット巡行記」であるからです(笑)。
バット巡行ルート
(古の風の寺院の近くで行ったり来たりしているのは、そこに新「昇月の寺院」があって、そこで聖祝期のあいだとどまっていたからです)
ここで書かれているクリムゾン・バットについての説明も、今まで出てきている情報と大きく違いはありません。
しかし、大きく違う点もあります。それは、クリムゾン・バットがいつサーターを通過し、「どのような反応があったのか」という事が具体的に記されていることです。
嵐の季の安定の週の終わり、クリムゾン・バットとそのカルトはキラルド渓谷を後にして東に向かった。移動の週の凍の日、バットはスウェンズタウンの周辺に到着した。25人の捕虜(滅んだダンディーロス部族の奴隷、ポル・ジョニ族の人質たち、捕らえられていたプラックス人など)がバットに喰われた。
食餌が終わると、バットはスウェンズタウンの周囲をはなれ、東に向かった。ポル・ジョニの辺土で、その金切り声と混沌の叫びは全ての獣たちを遠く逃走させた。ポル・ジョニ族の氏族は震撼した。
(ポル・ジョニの辺土)
バットに喰わせるために奴隷狩りが横行すること、バットのカルトの「食餌者」(Feeder)たちがサーターを暗躍して反乱者をバットの餌にするために狩りだすこと、これを機会にテマーティン王とエスタル・ドンジが敵対者を「リスト」にしてクリムゾン・バットのカルトに差し出すこと、部族同士はお互いを襲撃しあって「餌」を確保しようとすることなど……「軍団でも全く歯がたたない恐怖」であるクリムゾン・バットをめぐって様々な人々の思惑が交錯します。
そして、最後は、バットはホワイトウォールを目指します。
「そして、話は次回サプリメント『ホワイトウォール:最後のオーランス人の砦』に続きます!」
え、ちょ、ま(ry
※
読んでいて思ったのは、ルーンクエスト日本語版の傑作サプリメント『グリフィン・アイランド』、つまりはその元の「Griffin Mountain」に構造や意図が非常に良く似ている、ということです。
こう進めてもらうとストーリーができるよ、という「話」のネタはあります。
ただ、それはそのままシナリオという形になっているのではなくて、「遭遇表」や「100のうわさ話」、各地の解説といった中に散りばめられています。それをどう繋げて料理するかは、GMとプレイヤーキャラクターたちにおまかせ!というかたち。
もちろん、シナリオは普通のかたちのシナリオもあります。「アップルレーンへの帰還」のシナリオなんかは、現在の解釈でアップルレーンを描くとどうなるのか、という点でも興味深いです。(しかしこのシナリオでは、秘密の強力アイテムがグリングルおやじからPCに託されるのですが、その行く末については投げっぱなしというところがやはり『グリフィン・アイランド』っぽいというかなんというか)
シナリオでもドワーフ登場シナリオあり、ヒーロークエストあり、といった形で盛りだくさん。ドラゴニュート、トロウル、エルフなどの古の種族についてもざっと説明(とシナリオで登場)しております。
おすすめ。HeroQuest をやらない方でも、ネタとしては持っていて損はないと思います。(ステータスを追加で準備すれば、新ルーンクエストでシナリオを再利用するのも簡単でしょう)