トロウルはグローランサ最強の種族のひとつであり、PC用種族として人気が高い種族です。というか、グローランサで異種族をプレイしようとしたらダックかトロウルしかないんじゃないか(エルフは野菜だしドワーフは機械だから)。
そのトロウルの最大の弱点は、生殖能力です。
トロウルの“暗黒の母”カイガー・リートールが、第一期に光の神ナイサロール/グバージに破れ、豊穣の母であるコラスティングが死に、「トロウルキンの呪い」がトロウルたちにふりかかりました。トロウルのメスたちの生殖能力は低下し、できそこないのトロウル=トロウルキンが生まれてくるようになったのです。しかもその「できそこない」は生まれてくる子供の7割以上を占めていました。生まれるたびにできそこないを殺していたトロウルたちですが、そのあまりの数にトロウルキンを食料、奴隷として扱うことにしました。もしこの呪いがなければ、トロウルは主要種族の座を占めつづけ、いま現在(第二期〜第三期)のように人間が隆盛を誇ることもなかったでしょう。
悲しいよ、惨めだよ。わしの心は黙っているけれど、それよりもっと恐ろしいことがあった。わしはみたんだよ、悪いどろどろしたグバージが、愛しい姉さまで母さまのコラスティングを二つに引き裂くのを。……
呪われよグバージ! 明るきもの、生命を裏切るもの!
おまえを造ったものも! 同族も!
アーカットはおまえの腐った魂を見張る。
おまえの汚れきった精髄をいたぶる。
おまえの引き裂かれた体を呪う。
おまえのおぞましい力を食う。
おまえの手を微塵に砕く。
おまえの歯を折る。
頭蓋骨をくだく。
心臓を踏む…
(トロウルの女祭の祈祷の言葉より)
グレッグ氏によれば、この呪いがくだったのは、ヒョルト人とトロウルが同盟し、ダラ・ハッパ人とタラスター人(ロカマヤドンの嵐の民)と戦った「夜と昼の戦い」(Battle of Night and Day、378年)のことだということです。
その戦いは、「恐怖の夜」や「青い城の戦い」のような、神話的な戦いとなりました。
トロウルと嵐の民のちからで、戦いは闇と風雨のなかで始まりまります。
ロカマヤドンは、“高き嵐”タルマース(Tarumath)を召喚し、オーランスを敗北させました。トロウルたちの英雄ゴアとガッシュがダラ・ハッパ人に襲いかかりましたが、“イェルマリオ”デイサネルスが光の民を護りました。カイガー・リートールはイェルマリオを鼻息でとばし(ひどい!)ましたが、そこにナイサロールがあらわれ、カイガー・リートールと戦いました。
ナイサロールはカイガー・リートールにむさぼり食われました。しかし、ナイサロールはその体内から「アダマントの爪」でカイガー・リートールの子宮(コラスティングの部分)を傷つけたのです。
ロカマヤドンはタルマースの力を解放し、ヒョルト人は敗北しました。
この戦いでヒョルト人はわずか千人以下にまで減り、数十年後には絶滅の危機にまで追い込まれます。ナイサロールの帝国への大規模な反抗は、アーカットの到来までなかったのです。
(TOMEの#4号に「夜と昼の戦い」の日本語訳があったりするので読んでみるといいかも!)
- TOME #4,vol.1:The Book of Light ⇒ ダウンロード: トーム配布ロダ | TOME4-1.pdf
この「夜と昼の戦い」については、「History of the Heortling Peoples」にも詳しい記事があったような気がします。なんか規模が意外と小さくて(両陣営とも数千人オーダー)、意外でした。
トロウルたちは、トロウルキンの呪いを打ち破るため、3つの神話の道具を探しています。その道具をみつければ、コラスティングを蘇らせ、往時の繁栄を取り戻せると考えているのです。
カイガー・リートールを傷つけた「アダマントの爪」、コラスティングを蘇らせる「生命の歌」、カイガー・リートールをグバージから見えなくするという「異界の外套」です。
トロウルたちは、その3つの道具を見つけるために、いろいろな種族にうたわれる「歌」に耳をかたむけ、集め続けているのです、という話がとても印象的でした。
英雄戦争でも、トロウルたちは「トロウルキンの呪い」を破ることを目的にして動いてくるのでしょうねえ。