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奇妙な断章:ザブールの語るには

スパイク山の西の地は「論理の地」であった。その地の支配者はマルキオン。以下は、彼の信者たちが神と魔術と信仰について語ったものである。

ザブールかく語りき

セシュネラ地方の「曙の時代」の文書より

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以下は第一期のセシュネラ地方とラリオス地方の「白き魔術師たち」による典型的な演説である。セシュネラ、アローラニト、アケムの宣教師たちは、彼らの教師にして主人であるザブールの言葉として、以下の言葉を広めた。



お前たちマレスト人(ひと)(*1)らは聞かねばならない。私はお前たちが知らねばならぬことを語ろう。私はお前たちの起源の歴史をこの目で見てきた。私は、お前たちがまた再びキオナ(*2)と一つになるために、知らねばならないことを語ろう。


お前たちマレスト人は、パーセレーン(*3)の産物だ。お前たちは私の言葉を聞かねばならぬ。なぜなら、私はマーセレーン(*4)の産物だからだ。キオナが私をつくった。私はザブール。私の名は「キオナの賢きひと」を意味する。
私はマーセレーンとキオナによりつくられ、「形質」(Form)と「力」(Power)にしたがって、セーヴェイ(*5)が完全なるエラサンチューラ(*6)の一つである私を形作ったのを覚えている。私はそういった、数あるエラサンチューラのひとつである。セーヴェイは、それ自身や、ほかのエラサンチューラをつくったのと同じ方法で私をつくった。彼を、わたしは後に“見者マルキオン”と呼んだ。


“創造主マルキオン”の「知」は、物質の世界を「形」(Shapes)と「原理」(Principles)として認識した。われわれ「思考」(Thoughts)は、「形」と「原理」のあいだにわけいって識別し、マルキオンの理解を精錬した。最終的に、われわれは「元素」(Elements)と「諸力」(Powers)を発見したようになった。


キオナはわれわれを「真の存在」エラサンチューラと名付けた。われわれは自身を「マルキオン人(ひと)」(Malkioni)と呼んだ。われわれマルキオン人は物質の世界における特別な事実を身に帯びた存在である。われわれは宇宙の原理の自己認識である。
お前たち人間は、われわれを「ルーン」と呼ぶ。

(*1)Malestini。論理王国の最初期の住人の呼び名。
(*2)kiona。「第二の御業」の後の、西方の神の名前。“法のマルキオン”とも呼ばれる。
(*3)Paseren。「第四の御業」のこと。
(*4)Maseren。「第三の御業」のこと。
(*5)Sevey。「知」の力のこと。マルキオンの徒のキーとなる手段と力。
(*6)Erasanchula。マルキオンによって作られた「真の存在」のこと。ザブールや「ルーン」など。「方向」のルーンや、「パワー」のルーン、「エレメント」のルーンなど。多くは堕落するか、神々となった。

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マルキオン教による神話の評価

五つの御業


これれは古のザブールの徒の定義である。後のマルキオン教の信仰はみな、これらの教義原則に基づいている。

第一の御業:創造(Creation):創造の時代


最初にあったのはただ「神秘」(Mystery)、すなわち「未知のもの」(the Unknown)にして「不可知」(the Unknowable)だけであった。定命のものが、この概念を理解することはできない。ザブールが最初に魔道界の地図を描いたとき、彼でさえ宇宙とその神秘を説明するために、ここまでしか達しなかったのである。


御業:「宇宙的展望」(Universal Perspective)が「原初の物質」(Prima Materia)を理解することで、「(生命なき)物質」(“大地”)と、「(形なき)エネルギー」(“太陽”)、そしてフェルブリス、または「創造主マルキオン」と呼ばれる「知」(Intellect)とに分裂した。

第二の御業:顕現(Manifestation):緑の時代


最初に:創造は「物質」と「エネルギー」、「知」から成っていた。


御業:フェルブリスは「物質」と「エネルギー」に働いて「原世界」(Proto-World)を創った。それを構成していたのはエラサンチューラ、すなわち「真の存在」「形」「原理」である。


真の存在は、「(宇宙的な知の)偉大なる思考」である。真の存在は、「ルーン」である。ザブールはそのひとつであり、同じときに存在した創造主を「キオナ」、「法のルーン」、または「法のマルキオン」と呼んだ。法のマルキオンは「知の宮殿」に住まった。それは「空間」の中心にあった。世界は同時に「生命」と「形質」であり、また「空間」と「時間」(実際には原時間(Proto-Time)あるいは序列(Sequence)であったが)、「原因」と「影響」であった。

第三の御の時代:増大(Multiplication):黄金の時代


最初に:未分化の「時間」と「空間」からなる「原世界」には、キオナすなわち「法」が宿っていた。


御業:キオナは原初のルーンを組み合わせ、「第一世界」(First World)を創った。それは完全なるものすべてが一つづつで成り立っていた。


この御業の結果が「第一世界」と呼ばれ、現在では魔道界の一部となっている。これ以降、キオナはオルデルヴィス(Ordelvis)、「見者マルキオン」あるいは「預言者マルキオン」と呼ばれた。かれは「思考の城」(Citadel of Thought)に住まった。

第四の御業の時代:複製(Duplication):嵐の時代


最初に:オルデルヴィスは第一世界に住まった。


御業:オルデルヴィスはルーンを複製し、多くの丘、川、多くの人々、魔道士などなどを創られた。それらは世界に住まった。


この世界が「ダンマラスタン」(*7)である。人々は牧歌的な完全さのなかに住まっていた。人々は6つの支族にわかれ、
「父祖たるマルキオン」がその中にいた。

第五の御業の時代:破壊(Destruction):大暗黒


マルキオンは自分自身を捧げ、マルキオナル、すなわち「供犠」になった。


御業:戦争の時代。

  • 低位魔術の戦い
  • マルキオンの殺害
  • 大暗黒
  • 高位魔術の戦い


「曙」は、ザブールが正しかったことを証明した。

歴史時代の開始:


信仰の飛び地がいくつか残っていた。


(*7)Danmalastan。マルキオンの始祖の人々がすんだ地。「論理王国」。